研削材・研磨剤・メディアとは?
ブラストとは粒子を高速で衝突させ表面を加工する表面処理加工です。

使用する粒子は「研削材」「研磨材」「メディア」などと呼ばれます。
ややこしいのでどれかにまとめてもらいたいですが、正確な名称は無いみたいです。
自分も研磨材と呼んでみたり研削材と呼んだりまちまちですが、
今回は「研磨材」と統一して呼称します。
ブラストにおいての研磨材とは噴射・投射する事が可能な粒子です。
噴射もしくは投射が可能な粒子ならどんなものでも研磨材となり得ます!
なので研磨材には無茶苦茶多くの種類が存在します。
研磨材の種類について
噴射・投射さえ可能なら研磨材となりますので、無限に種類はありますが…
だいたい一般的に流通、使用されているものはざっくり以下の11種類となります。

研磨材で重要とされるのは素材・形状・サイズ・硬度・比重・粉砕性です。
重要となる項目は多いですが、簡単に説明します!
・素材
もらい錆などを防ぐため、加工対象物に合わせた素材を選択する必要があります。
・形状
多角形は塗装に適した粗面化、球体はバリ取りやピーニングを目的とします。
・サイズ
大きければより粗面化が可能で、細かければ微細な加工が可能となります。
・硬度
硬ければ研削力が高く、柔らかいと損傷を抑えた加工ができます。
・比重
比重(重量)は加工力に影響し、重ければ加工力が大きく軽ければ小さいです。
・粉砕性
粉砕性は施工コストに影響し、大きければすぐ粉砕し小さければ長持ちします。
この様に研磨材は加工対象となる製品の素材、目的、形状などに合わせて
選定する必要があるので多くの種類が存在しています。
原田鉄工で使用している研磨材たち
原田鉄工で普段使用している研磨材を紹介します!
①スチールグリット
グリットブラストの研磨材はこのスチールグリットです。
鋼が原料で研削力が高く多角形となっているので、
塗装の下地処理に適したアンカーパターン(表面の凹凸)を形成する事が出来ます。
黒皮はもちろん分厚い塗装も完璧に除去する事が可能です。
加工効率が良く、粉塵の発生が少ないため多くの鋼製品に対し使用しています。
②ネオブラスト
サンドブラストの研磨材はこのネオブラストです。
フェロニッケルスラグというステンレスの副産物が原料となっており、
珪砂より高硬度で鉱石が原料のアルミナやガーネットに近しい性能となります。
多角形なので塗装の下地処理に適したアンカーパターンを形成する事が可能です。
鋼製のスチールグリットと比較すると粉砕性が高く粉塵が発生しやすいので
加工効率は悪いですが、ステンレスやアルミなど幅広い素材に対して加工できます。
③ガラスビーズ
ガラスビーズブラストの研磨材はその名の通りガラスビーズです。
ガラスが原料で軽い、砕けやすい、球状なので素材への損傷を抑えて加工できます。
多角形でなく球状なので塗装の下地処理としてはあまり向いていません。
素材を選ばず加工が可能で、バリ取り・研掃・仕上げ加工に使用されます。
原材料コストが高い上に粉砕性も高いので、加工には多くのコストが必要です。
原田鉄工では基本的に上記の3つを常用しております。
加工対象物の素材、大きさ、形状、加工目的によって3種類を使い分けています!
まとめ
ブラストの研磨材は噴射さえ可能なら何でも研磨材となり得ます。
そのため様々な素材や形状のものが流通しています。
研磨材で重要とされるのは素材・形状・サイズ・硬度・比重・粉砕性であり、
種類によってそれぞれ特徴があります。
対象物の素材・大きさ・形状・目的によって研磨材を使い分ける必要があります!
研磨材を使い分ける事で加工可能な素材、仕上がり、効果が大きく変わります。