養生は「目的」や「対象物の形状」、必要となる「強度」や「範囲」によって
使用する道具を使い分ける必要があります。
そのため各メーカーより色々な養生資材が販売されていますが、
今回は代表的な養生に使用されている道具と使い方について何点か紹介します。
・マスキングテープ
養生のみではなく、近年には様々な模様やキャラクターがプリントされた装飾用テープとしても人気のマスキングテープです。
養生としての使い方はキズや汚れが付かないようにテープを貼って覆い隠す、
その他養生資材を固定するために使う事が多いです。
特徴としてはものすごく薄いテープなので強度は低いですが、
切ったり貼ったりの加工が容易に可能で、粘着力が弱いため剥がした時の糊残りや
製品を損傷させる可能性が低いです。
・ガムテープ(養生テープ)
資源ごみ、可燃ごみなどゴミ出しには欠かせないガムテープです。
こちらは養生テープと呼ばれる粘着力を弱くしたものと、ガムテープがあります。
養生テープの使い方は基本的にマスキングテープと同じような形です。
ガムテープの種類にはテープに繊維を含ませた布テープと呼ばれるものもあり、
布テープは厚みがあり粘着力・強度が高いので原田鉄工ではブラスト加工時などに
加工が不要な部分へ数枚重ねて張り付ける事で強力な養生を行っています。
・マスカー
テープに透明なビニールシートが付いたマスカーです。
テープを1ヵ所貼るだけで広範囲を一度に覆い隠すことができます。
ビニールシートはものすごく薄いので強度は低いですが、接触の可能性が低い部分や
塗料・粉塵の飛散や付着の防止などに活用します。
原田鉄工では塗装時、広い範囲で無塗装箇所があった場合などに張り付けたり、
周囲で別の塗装を行う、出荷前の汚したくない製品などへ貼り付け養生を行ってます。
・段ボール

梱包もできるし、養生もできる万能な段ボールです。
段ボールにはよく見る紙製とプラスチック製の2パターンあります。
プラスチック製はもちろん、通常の紙製段ボールも実はかなりの強度があります。
また切ったりする加工も容易なので、原田鉄工ではブラスト・塗装加工時に
広範囲を養生する場合などは段ボールを使用しています。
・ボルト、ゴム栓
タップ穴と呼ばれるネジが切ってある穴、細かい機械精度で開けてあるリーマ穴など
精度が必要となっている穴を塞ぐのに使うのがボルトやゴム栓です。
こちらは穴に色々な規格があり、多くの種類があるのでそれに対応する
ボルトやゴム栓も多種多様にあります。
ボルトを使用した場合は養生に時間がかかりますが、回す以外で外れる事が無いので
確実な養生ができます。
ゴム栓は先端が細い円錐状なので差し込むだけで簡単に養生が可能ですが、
簡単に外れる事もあるので注意が必要です。
養生作業の注意点
養生を丁寧に行えば、必要な範囲のみをキッチリ加工する事ができます。
ただし手順や養生資材の選定を間違えると…
せっかく頑張ってやった養生が機能せず不必要な範囲まで加工を行ってしまったり、
周辺とのトラブルの元などになりかねません。
養生作業における注意点をいくつか紹介します。
・脱脂処理は確実に!
テープを張り付けて養生を行う場合、強度や粘着力が必要とされる箇所には
事前に油分やゴミを除去するための脱脂処理を行いましょう。
雨風のある屋外などの環境下、強度が必要となる部分などは脱脂処理を行う事で
剥がれず、しっかりと密着し保護する事が可能となります。
脱脂を行う対象が樹脂や繊維の場合は使用する洗浄剤によって変形・損傷する可能性
がありますので、洗浄剤と素材の組み合わせには注意が必要です。
・隙間はNG
作業する内容にもよりますが、塗装作業などでは養生テープが少し浮いていた、
少し隙間が空いていただけでも養生は全く機能しません。
せっかく養生したのに、隙間から塗料の飛散し周辺が塗料まみれになる事も…
隙間なく確実に養生を行う必要があります。
・適正な養生資材を選ぶ
養生資材には多くの種類がありますが、養生を行う目的や形状によって
適切なものを選ぶ必要があります。
・広い範囲で高い強度が必要な場合は段ボール、低い強度の場合はマスカー。
・狭い範囲で高い強度が必要な場合は布テープ、低い強度の場合はマスキングテープ。
不適切な養生資材を使用した場合は余分に資材や時間が必要となったり、
最悪の場合、養生の強度が足りず製品が損傷してしまう事も。
必要となる強度を考えてから養生資材を選ぶようにしましょう!
まとめ
現場作業における「養生」とは対象物や周辺を「傷や汚れから守る」もの。
しっかりと養生を行うからこそ、その後の作業が安心して確実に行える。
私は自宅のDIYで養生資材が足りず、養生無しでやって関係ない床を塗った事があります。
養生資材は色んな種類がありますが養生作業の目的、対象物の形状や必要となる強度
などを考慮して適切な養生資材を選定する必要があります。
製品の仕上がりや損傷の有無を決定する「養生」は実は非常に重要な作業です!
原田鉄工ではご依頼いただく製品の養生作業も、もちろん承っております。
「養生の仕方が分からない」「養生資材が無い」などお困りでしたら
是非お気軽にご相談ください。
複雑な形状などでもしっかりと養生を行います!
また可能であれば養生した製品の加工依頼もお待ちしております。
強度的に不十分な場合などは弊社で少し修正を行いますので、ご安心下さい。