ステンレスが錆びる原因
ステンレスが錆びる原因は大きく4つあります。
①もらい錆
他種金属の錆びがステンレスに付着する事で錆びがステンレスに移る現象です。
鉄などが接触する事で表面に鉄分が付着し、その鉄分が錆びる事で発生する場合もあります。
②塩分・酸性
ステンレスを錆から守っている酸化被膜は塩分と酸に弱いため、沿岸部での使用
酸性の薬品と接触している場合は錆が発生する可能性があります。
③汚れ・水分
汚れや水分が付着している状態だと酸素の供給が妨げられるため、
酸化被膜が阻害され錆が発生してしまう事があります。
④溶接・曲げ加工等
溶接や曲げなどの部分には加工の際に生じた残留応力が発生する場合があります。
残留応力を残したままにしておくと結晶構造に劣化が生じ、錆が発生します。
もらい錆とは!?
もらい錆は日常で簡単に起こる可能性があり、
ステンレスが錆びる可能性として最も高い原因となります。
ステンレスは鉄(Fe)とクロム(Cr)を主成分とした合金となります。
クロムは空気中の酸素と結合し「酸化クロム」という酸化被膜を形成します。
この酸化被膜は内部を浸食する事なく表面を覆うため、内部の酸化を防ぐ性質があります。
そのため錆びにくいステンレスですが、錆が直接接触してる場合は錆自体が表面に移ります。
表面に付着している段階なら簡単に取り除く事が出来るのですが、錆によって
表面の酸化被膜が阻害されるため放置するとステンレス自体が錆びてしまいます。
この現象を「もらい錆」と言います。
またステンレスと鉄などが接触した際にステンレスの表面へ鉄分が付着し、
その鉄分が錆びる事からもらい錆が起こる場合も多くあります。
もらい錆の落とし方
錆の進行度によって除去方法を変える必要があります。
軽度の錆
お酢や重曹を水で溶いたものを使い、スポンジでこすり洗いを行う事で落ちます。
メラニンスポンジを使うと更に落としやすいです!
中度の錆
ステンレス用の錆除去剤を使用する事で錆を溶解・軽減させます。
化学薬品となりますので使用時には注意が必要です。
錆除去剤でもダメな場合にはサンドペーパーなどで研磨して落としましょう。
重度の錆
電動工具を使い研磨する事で大体除去する事が出来ます。
あまり深い傷がついてしまうと酸化被膜が機能しなくなるので、注意しましょう。
電動工具で落ちない場合や錆を完全に除去する場合などはブラスト処理を行う必要があります。
まとめ
ステンレス単体は錆に強いのでそう簡単に錆びる事はないので、多くの場合は
もらい錆が原因となります。
工場などが近くにある場合は飛散した細かい鉄粉が付着し、錆びるケースもあるようです。
ステンレスのもらい錆は進行してしまうと鉄などと同じく内部へ浸食するので
完全に除去する事が難しくなってしまいます。
表面に錆が付着しているだけの初期段階では楽に落とせるので、
もらい錆は初期で対処できるように定期的にメンテナンスを行う事が重要です。
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