鉄と鋼について
鉄は金属元素であり元素番号26、元素記号Feで表されます。
鉄は地球の内部に約30%、地殻でも約5%あるとされます。
5%と聞くと少ないような気もしますが、元素の中では4番目に多く存在しており
加工や入手のしやすさから幅広い分野で使用されています。
私たちの身の回りで使われている鉄の多くは「鋼」です。
自然界では鉄鉱石というめちゃくちゃ錆びた酸化鉄のみ存在します。
この鉄鉱石から酸素を取り出し、色々追加して使いやすく調整したものが鋼です!
元々錆びた鉄をなんやかんやして無理やり錆びていない鉄に変えている訳なので、
自然界で使用していれば鉄が錆びるのは当たり前の事でもあります。
鉄が錆びる仕組み
鉄が錆びるためには「酸素」と「水」が必要となります。
通常空気中には酸素(O₂)はもちろん水(H₂O)は湿度といった形で含まれています。
今回は分かりやすく鉄が雨に濡れ、直接水と接触した設定で簡単に説明します。
まず水(H₂O)は酸素(O₂)と接触しているので、酸素を取り込もうとします。
酸素と結合するには分子間を繋ぎ止める電子(e⁻)が必要なので鉄(Fe)から奪います。
この電子が移動し増減する現象を「イオン化」と呼び、
イオン化した電子が多いOH⁻と電子の少ないFe⁺が大量に作られていきます。
①で起きた現象が繰り返される事でFeのイオン化は進みFe⁺²やFe⁺³が現れます。
イオン化したものは通常状態より電子が増減し構造的に不安定なので、
電子±0の安定状態を目指して3つのOH⁻と結合します。
そしてFe(OH)₃の水酸化鉄(Ⅲ)となりますが安定的に存在しない物質のようで、
(↑詳しくは外部サイトで紹介)
FeOOHのオキシ水酸化鉄とH₂Oの水が作られます。
FeOOHはH₂OとFe₂O₃(赤錆)に分解されます。
表面の水はいずれ蒸発して無くなりますが、空気中の水分と酸素と接触している限り
①~③が繰り返されるので錆が進行していきます。
錆の種類について
代表的な錆の3種類を紹介します!
《 赤錆 Fe₂O₃ 》
最も多く起こる錆でサビと言われると大半の人が想像するのが赤錆です。
鉄、鋼、鉄鋼、銅合金など様々な金属に対して発生します。
水・酸素と結合する事で内部へ進行し、金属の強度を低下させボロボロにします。
《 黒錆 Fe₃O₄ 》
自然に発生する事はなく鉄、鋼、銀などを高温で加熱すると出来るのが黒錆です。
鋼材や鉄製フライパン、鋳鉄製スキレットなどにみられ黒皮とも呼ばれます。
黒錆は内部へ進行しないので、完全ではないですが酸素や水分から守ってくれます。
《 白錆 Al₂O₃・2ZnCO3・3Zn(OH)₂ 》
アルミニウムは酸化被膜に覆われ守られていますが、水がかかると白錆になります。
亜鉛やアルミニウムに発生し、赤錆ほど内部への進行は早くありません。
白錆が表面を覆う事で結果として腐食から守る効果もあるようです。
まとめ
鉄は錆びまくった鉄鉱石(酸化鉄)を無理やり還元し精製しているので、
元々の姿である安定的な酸化鉄に戻ろうとする。
錆びるためには「酸素」と「水分」が必要であり、鉄の「イオン化」現象により
腐食が始まります。
逆に言うと酸素・水分と鉄が接触しないだけで錆から守ることができます。
原田鉄工はブラスト加工で洗浄した素地へ分厚い塗装を塗り重ねる事によって
50年、60年と長期的に酸素・水分を遮断し鉄を錆から守ります。
製品をボロボロにし耐久性を著しく下げてしまう「赤錆」でお困りでしたら、
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赤錆以外に錆は6種類もあるのをご存じですか?
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