塗装不良とは?
塗装不良は塗装の乾燥前、乾燥後の塗膜に何らかの不具合が生じたため、
塗料の本来持つべき性能が発揮されない状態の事です。
見た目の仕上がり悪くなり美観を損なう、想定した保護機能が発揮できない、
早期剥離や素地の腐食など深刻な問題を引き起こす場合もあります。
塗装不良が起こる原因
塗装不良は各塗装工程で発生する可能性があり、その原因も多種多様です。
原鉄メールマガジン Vol.5で紹介させていただきましたが、
塗料は「顔料」「樹脂」「溶剤」「添加剤」の4種類で複雑に構成された化合物となります。
配合条件・塗装条件・気象条件等どれか1つでも不適切な要素があると塗装不良の原因となってしまいます。
発生しやすい塗装不良の一部だけでも下記のようなものがあります。
乾燥不良 一度に厚塗りしすぎ、硬化剤の配合比率が不適切、攪拌不足
たれ 希釈溶剤の割合が高く塗料の粘度が低すぎる
すけ 下塗色と比較し上塗色が薄い、膜厚が薄すぎる、希釈率が高い
剥離 素地調整が不十分、塗り合わせが悪い、塗装時の気象条件が不適切
白化 周辺湿度が高い、乾燥過程で水と接触、希釈溶剤が不適切
塗装不良への対策
塗装不良は塗装中の技術的な問題で発生することもありますが、
意外と塗装前・後の「塗料」「被塗装物」「塗装環境」「塗装設備」が原因となることが多いです。
塗装不良の対策として最も有効なのが
使用する塗料の説明書に記載してある仕様を遵守することです!
塗料説明書には素地調整、適合する下塗・上塗・シンナー、希釈・配合比率、
塗装可能となる塗装環境や塗布量、塗装機の圧力やチップ、塗装スピードまで
細かく記載されています。
塗装環境は気象条件に左右されるため、雨天・降雪時などの環境下で整えようと
思うとかなり大掛かりな設備が必要となってしまいますが…
その他は比較的簡単に対策可能です!
まとめ
塗装不良は塗料説明書の仕様を逸脱したことが原因となることがほとんどです。
単純に塗装者の経験・技量が不足して起こる不良も無いことはないですが、
希釈率の調整不足、塗装機の圧力やチップが不適切などといった要因と
技量不足の要因が合わさり発生する場合が実際には多くあります。
塗装不良の修正方法は大まかに3種類あり
再度塗り重ねる、研磨し塗りなおすと言った比較的簡単な修正で済めば良いですが
塗膜を全て剥離させ素地調整から塗りなおす大掛かりな修正が必要になる場合もあります。
塗装不良の修正はかなり大変な作業となりますが対策はそれほど難しいものばかりではありませんので、修正の必要ないようにしっかりと対策をしましょう。
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